PAULA で創傷治癒アッセイを行うPAULA で創傷治癒アッセイを行う

創傷治癒アッセイにおいて、PAULAはどの様にワークフローを簡略化できるのでしょうか?

スクラッチアッセイや遊走アッセイの同義語として使用されることが多い創傷治癒アッセイは、細胞単体または細胞群ともに細胞遊走の重要な手段となっています。 細胞遊走は個体発生の過程で厳密に制御され、時にはがんの発生や進行など、制御できない状態に陥ることがあります。

細胞遊走に関して対処しなければならない以下のような重要な問題があります:

  • どのように特定の薬剤が細胞の遊走速度を変えるのか?
  • どの程度の速度で細胞が特定の条件下で遊走するのか?

創傷治癒実験

創傷治癒実験の基本的な手順は非常にシンプルです。 人工的に作った無細胞のギャップは、単層細胞で100%埋めることができ、その時の細胞の能力をモニターします。
信頼性があり再現性のある結果を入手するには、多くのパラメータを考慮し標準化する必要があります。

以下のセクションでは、細胞のモニタリングと、PAULAがどのようにワークフロー作業の簡素化に役立つのか、複数の視点から説明します。

適切な対比法

一般的に明視野観察では、ほとんどの単層細胞は観察が困難で、目視確認できない場合もあります。 位相差観察では、細胞の形状がハイライトされ細胞を簡単に観察することができます。 しかし、位相差を使用してマニュアルで顕微鏡を設定するのは特に訓練を受けていないユーザーの場合、手間と時間がかかります。 遊走の追加要素をモニターする場合、蛍光観察を有効利用することができます。 しかし、光褪色および光毒性は遊走性を著しく変化させる場合があるため、利用の標準化をすべきではありません。

  • PAULAは、アライメントの必要のない位相差観察を提供します。
  • ワンクリックのみで位相差観察を有効にすることができます。
  • 蛍光比率(赤/緑の蛍光2色、GFPやdsRedで標識化した細胞など)を必要に応じて追加することができます。

100%密度の細胞層での創傷治癒アッセイ

適時に箇所を探すことは非常に重要です。 ほとんどの場合、創傷治癒アッセイは100%密度の細胞層を使用して実施されます。 細胞密度が100%に到達した後も培養を続けると、細胞分離や、さらには近隣細胞に対して阻害となる可能性があります。 従って、適切な点を適時見つけて創傷治癒アッセイを開始することが、有意義な結果を得る適切な実験を成功させる上で非常に重要です。

  • PAULAは、対象の細胞が希望する密度に到達するとメールで通知します。
  • 細胞を培養するラボへ出向いて細胞をマニュアルでチェックする必要はもはやありません。
  • 創傷治癒実験を開始するための完璧な瞬間を見つけることができます。

最適な環境条件は極めて重要です

創傷治癒アッセイは、いわゆる「デッドエンド」分析とよばれる方法を適用する場合があります。 細胞のフラスコをインキュベーターから取り出して手作業でチェックする必要があります。 この方法は時間がかかり、完全な正確性は得られません。 別の方法として、小型インキュベーターを備えた顕微鏡ステージ上に培養フラスコをセットする方法もあります。 この方法は良好な手段とも言えますが、温度およびCO2の変動を完全には抑えられないといった問題があります。 では、細胞を保存する最適な方法は何でしょうか? それは培養細胞に最適な条件にセットしたインキュベーターで保存することです。

  • PAULAは培養細胞用の一般的なインキュベーター内に設置できるため、細胞は最適な条件下で保存されます。
  • 観察対象の焦点面も数日にわたり安定しているので、再調整は不要です。
  • PAULAはタイムラプス記録を取得し、遊走速度、ギャップに対する浸潤率、50%浸潤までの推定時間を即座に計算します。
  • 細胞の状況および結果は継続的にどこからでもモニターできます。

ぶれの少ない一貫したギャップサイズが重要です

単層培養細胞に作成するギャップは、多くの場合はピペット先端でスクラッチして作成します。 スクラッチサイズは、単層表面に加わる圧力に大きく依存します。 しかし、再現性のある結果を入手するには、一貫したスクラッチサイズが重要です。

  • PAULAにあるルーラー機能で正確な細胞ギャップ幅を測定します。
  • 異なるフラスコ間でもギャップサイズをより簡単に識別できます。
  • PAULAはデバイスのインサートで作るギャップに対しても利用可能です(ibidi製品など)。

再現性のために重要なパラメータ

創傷治癒アッセイの再現性に影響を与える可能性があるものには、ギャップサイズと環境条件に加えて、他の要因があります。 例えば技術的なパラメーターとして、細胞の継代数や細胞状態、画像取得の設定、システム校正などがあります。 PAULAはどちらのパラメータタイプもモニターします。

  • PAULAは細胞の継代数を記録することができます。 そのため、実際に近い細胞状態(リンゴとリンゴまたはオレンジなど)で比較しているかを常に把握できます。
  • 照明などパラメータの微調整を含め、特定の試料に使用した個別の設定を記録します。
  • 追加のキャリブレーションは必要ありません。

創傷治癒アッセイの容易な設定

創傷治癒実験の設定が簡単で繰り返しやすいものであれば、再現性のある結果を得る確率が高くなります。 PAULAが創傷治癒アッセイの設定をどこまで簡単に判りやすくするか、ぜひ体験してください。 適切な創傷治癒実験を開始するのに必要なのは、わずか3つの手順だけです。

  • 試料情報の登録
  • タイムラプスの設定
  • 対象領域の選択

重要なのは結果

一日の終わりに重要なのは、結果です。

  • PAULAはグラフィック表示でギャップ浸潤率と遊走速度を提示します。
  • 分析の計算に適用されるタイムポイントは任意に選択できるため、スクラッチの境界線上にある細胞死の影響を排除することができます。
  • 50%、100%のギャップ浸潤を最初に推測し、それから到達時に実際の値を計算します。
  • すべてのデータを表形式で表示しEXCELファイルへエキスポートできます。
HeLa細胞から構成される創傷治癒アッセイのビデオ。
細胞を最適な条件下で保存する一般的な細胞培養インキュベーター内にPAULAを設置します。
PAULAによる創傷治癒アッセイの簡単な設定

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位相差、10倍で画像化されたHeLa 細胞。 データ提供:Ralf Jacob教授(マールブルク大学、ドイツ)
PAULA は、創傷治癒アッセイ用に作成した単層HeLa細胞内のギャップを分析します。
PAULA がHeLa細胞創傷治癒アッセイでギャップへの浸潤および遊走速度を計算した例。