お問い合わせ
Header Image

デジタルライトシート顕微鏡法による 3D 細胞生物学ワークフローの改善

腫瘍スフェロイド モデルのような in-vivo(生体内)細胞内レベルでのがん発生の解明

細胞内での発がんメカニズムの理解は、がん治療にとって決定的に重要なものです。一般的な細胞モデルは、単層として成長したがん細胞より成ります。しかしながらこのアプローチでは、がん細胞と周囲の微小環境との三次元(3D)相互作用は無視されます。悪性腫瘍の発生と進行を自然環境に近い状態で理解するためには、がん微小環境の特徴づけが決定的に重要になります。

Simply get in touch!

Want to know more on our solutions for 3D biology?

従来の顕微鏡技法にとっての難問

培養方法は絶えず開発されており、それによりがん細胞を 3D 球体として成長させることが可能です。この細胞スフェロイドは固形腫瘍を模したもので、がん発生の生理学的関連性のモデル化に適しています。複雑な 3D 構造と容積サイズは、従来の光学顕微鏡にとって典型的な難問です。この難問は、妥当な時間内で大きな試料における細胞内の変化を追跡可能にするライトシート ベースの顕微鏡法により克服することができます。

結果の強化

ライカ SP8 デジタルライトシート(DLS)顕微鏡を使用しての細胞スフェロイドの検査は、標準シャーレ内での細胞および分子プロセスの重要な結果を明らかにし、がん研究にきわめて適しています。

マルチポジション実験によるスフェロイド イメージング ワークフロー

ライカ マイクロシステムズのデジタルライトシート モジュール(DLS)は、あらゆるライカ TCS SP8 倒立型共焦点顕微鏡に統合することができます。

  • 標準シャーレ内での容易な試料作製が時間を節約します。
  • 1 回の実験での複数のスフェロイドのイメージングが、きわめて生産的な長期観察を可能にします。

ライカ デジタルライトシート顕微鏡法に関する詳細情報

3D でマイクロスフェロイド培養した乳房上皮の 7.5 時間タイムラプス録画。データ提供:インテリジェント イメージング グループ(B. Eismann/C. Conrad)、BioQuant/DKFZ ハイデルベルク(ドイツ)

3D 細胞生物学、スフェロイド、オルガノイド

ここ 10 年ほどの間に 3D 細胞培養アプリケーションは大幅に進化し、安定した信頼性の高い細胞モデルが開発されました。ますます多くの科学者たちが、3D 細胞培養が急速に従来の単層細胞培養に取って代わるだろうと確信するようになっています。

最近の 3D 細胞培養モデルの例により、結腸直腸ガン(CRC)の新たな識見とその背後にある複雑な発生メカニズムが解明されます。このケースでは、オルガノイドが疾患研究および再生医療や個別化医療において多くの貴重なアプリケーションを実現しています。

スフェロイド イメージング ワークフローの各ステップ

A. 作製

試料は標準的なガラスシャーレ内で作製されます。毛細管のような特殊な装置は不要です。

1 回の実験セットアップで複数の試料を作製できます

  • 直接、少量のヒドロゲル内で複数のスフェロイドを成長させる
  • ヒドロゲル数滴をシャーレ内に滴下し、既に発生しているスフェロイドをその中に移植する。

B. マウンティング

シャーレを上下反転させて、スフェロイドが最適な観察位置へと沈降します。

次に、37℃でヒドロゲルを凝固することで、スフェロイドを適切な位置に保持するゲルとなります。

最後にシャーレをもとの向きに戻して、培地を充填します。

C. ライトシートイメージング

その後、シャーレをライカ TCS SP8 DLS の試料ホルダーに置きます。TwinFlect ミラーにより、高速で容易なイメージングが可能になります。画像取得時の露光はきわめて低いため、長時間にわたりスフェロイドの自然な発生過程を追跡することができます。ライカ DLS モジュールは、単一の実験で複数の試料を観察できる設計となっています(マルチポジション実験)。試料は sCMOS カメラのフルチップを使用して、次々とスタックごとに、長時間にわたって 60 フレーム/秒でスキャンすることができます。培養条件を最適なものとするため、Okolab あるいは TokaiHit などの種々のメーカーのインキュベーション システムを追加することができます。

D. データ処理

連続ストリーミングにより、画像を取得したその時点で一時的なメモリからハードディスクあるいはサーバソリューション(例:Acquifer HIVE)へと保存します。

E. 可視化

画像を取得後、すぐに結果をライカ LAS X 3D ソフトウェアの 3D 可視化ツールにより可視化することができます。

特定の時間軸におけるスフェロイドを 3D で確認、あるいは、取得したデータの一部を観察することで、異なるマーカーで標識された単一細胞の分裂過程を調べることができます。

Video: Subvolume of a 4D acqusition  of a mammary epithelial micro spheroid. Nuclei in green, cytoskeleton in red. Data courtesy of intelligent imaging group (B. Eismann/C. Conrad) at BioQuant/DKFZ Heidelberg

F. 解析

遺伝子的背景の異なる、あるいは異なる処理を施されたスフェロイドの挙動を比較することの難しさは、よく知られています。データ解析は、たとえば健常組織および障害組織における定量的な情報の取得が必要な場合に欠かせないツールです。

強力な 2D および 3D 解析ツールが、Leica LAS X ソフトウェアに用意されています。

G. 共有

TIF あるいは JPEG などの一般的な画像フォーマットを使用して、結果を同僚、他の機関、あるいはあらゆるメディアと世界中で共有できます。動画は簡単に mp4 ビデオとしてエクスポートすることができ、また定量的な結果を Excel レポートでさらに評価することが可能です。

3D 生物学関連情報をさらに読む

他の研究分野:神経科学

神経科学における特筆すべき進展として、脳研究のためのジカウイルスのオルガノイド モデルの開発を挙げることができます。このオルガノイドは、発生、疾患原因、薬物スクリーニングの in vitro(試験管内)モデルに理想的です。