
マルチカラーの深部生体内イメージングでスペクトルを自在に調整 - SP8 DIVE
SP8 DIVE Deep In Vivo Explorer は、マルチカラー&マルチフォトン(MP)イメージングでスペクトル調整を可能にした初めてのソリューションです。
SP8 DIVE ではスペクトルを自在に調整できます。4Tune を装備した、スペクトル調整可能なノンディスキャン型検出システムの SP8 DIVE は、限りない柔軟性を提供します。研究者の皆様は新しいマルチカラーの深部生体内実験を開発できます。
SP8 DIVE は最大限の深部観察を可能にします。新たに搭載された可変ビームエクスパンダー(VBE)を調整して、動物モデルに応じた最適な深部観察を得ることができます。SP8 DIVE では、4Tune 検出器により、従来の 2 倍の蛍光シグナルを取得できます。マルチカラーの深部生体内イメージングで、よりコントラストの高い深部観察を可能にしました。
SP8 DIVE は、最高の実験結果をもたらします!

4Tune がもたらすスペクトル調整の自由
トランスジェニックマーカーの数は急増する一方です。しかし SP8 DIVE は、マーカーの種類の増加をまったく苦にしません。マウスを数回クリックするだけで既存の、そして新規のトランスジェニックマーカーに対応することができます。
スペクトルの自在な調整は、ノンディスキャン型検出に適した新しい画期的な 4Tune 技術によって実現しました。4Tune 検出器はすべての蛍光に適応し、大きく重なるスペクトル同士を分離できます。ソフトウェア処理は必要ありません。
SP8 DIVE では、従来の 2 倍の蛍光シグナルを取得できます。それにより、より深部での観察とイメージング速度が向上し、生体内イメージング中の光毒性を弱めることができます。
「従来のダイクロイックミラーではすべての蛍光色素分子を判別することができませんでした。DIVE のスペクトル検出器なら、検出したいそれぞれの蛍光色素分子に合わせて波長を最適化できるので、とても簡単に、すべての蛍光色素分子を判別することができるようになりました。」
Prof. Dr. Jacco van Rheenen. University of Utrecht, the Netherlands(ジャッコ・ファン・レーネン教授、オランダ・ユトレヒト大学)
DIVE で容易に – 4Tune 検出器
4Tune ノンディスキャン型検出器は、2~4 個の検出ユニットを搭載できるほか、ハイブリッドディテクター(HyD)または光電子増倍管(PMT)、もしくはその両方と組み合わせて自由に構成できます。捉えた蛍光を可変ダイクロイックミラーと可変バンドパスフィルターで分離します。380 nm から 800 nm までの波長域で調整が可能です。
4Tune には、複数のトランスジェニックマーカーの蛍光取得設定をドラッグ&ドロップ操作で簡単に最適化できるユーザーインターフェイスが用意されています。わかりやすい直観的デザインのため、操作は簡単で、習熟に必要なトレーニングは最小限で済みます。
SP8 DIVE は、既存のもの、新たに開発されるものを含め、あらゆるトランスジェニックマーカーに対応でき、陳腐化することがありません。
新たな次元で深部を探る
SP8 DIVE では、機能の調整によって極深部や詳細な細部の情報を取り出すことができます。新たに搭載された可変ビームエクスパンダー(VBE)により、使用する対物レンズに合わせてすべての励起ビームを個別に、最適に調整できます。
この VBE により、最適なコローカリゼーションが可能となり、研究課題に合わせて解像度と深度のバランスを適切に設定することができます。
可変ビームエクスパンダー(VBE)による深度と解像度の最適化
ライカの可変ビームエクスパンダー(VBE)では、ビーム径と角度を調整できます。それにより、最大の深度、最適な解像度が得られ、すべての波長域での補正が行われます。
ビーム径を調整し、解像度と深度のバランスを最適化(上の画像)
ビーム径の調整によって、解像度と入射エネルギーの最善のバランスを個別に選択できます。ビーム径を大きくすると、対物レンズ後焦点面において均一なビーム照射が得られます。開口数の高い対物レンズと組み合わせることで、解像度が最大となります。
ビーム径を小さくすると、フォーカルボリュームへの照射エネルギーが増え、試料内部への浸透が向上し、より深部でのイメージング結果が得られます。VBE では、最大 4 つの波長の異なる IR(赤外線)ビームを個別に調整し、解像度と深度の最適バランスを調整することができます。
ビーム角度を調整し、フルカラー補正(下の画像)
入射角度の調整により、IR の波長によって異なる軸上色収差を補正します。これにより、試料の同一焦点面を、最大 4 種類の波長の赤外光で励起できます。
マルチカラーの深部生体内イメージングで再現性のある結果
マルチカラー励起: 1回の実験で複数種のトランスジェニックマーカーを励起するとともに、完璧な波長分離を実現します。あるいは、回折限界ボリューム内で、局所的な高精度なフォトマニピュレーションと同時イメージングが可能です。SP8 DIVE は最大 3 つの調整可能な励起ラインを同時に装備でき、出力調整は音響光学素子によって行います。レーザーの波長は最高 1300 nm まで対応できるため、マルチフォトン実験で赤および遠赤の色素を使用することもできます。散乱が少ないため、深部にまでレーザーが届き、深部から詳細情報をふんだんに含むイメージが得られます。
TuneIR – 装置の状態を常に最適に維持し、重要な情報を探り出す: 常に正確な結果を得るうえで、装置と IR ビームを信頼性が高く、安定した状態に保つことが絶対の条件となります。そこでライカは、可変ビームエクスパンダー(VBE)に斬新なビームキャッチャーユニットを組み合わせました。これにより、最大 3 本の調整可能な励起ラインについて、再現性と最適なイメージング条件、そして複数のマーカーの最適なコローカリゼーションを保証します。
行動研究のための自在なスペース確保
向けに SP8 DIVE を DM8 CS 顕微鏡スタンドに取り付け、広い作業スペースを得ることができます。DM8 CS は連結テーブルに設置されており、実験の条件や目的に合わせてカスタマイズすることができます。これにより、大掛かりで複雑なセットアップに対応可能な、自在なスペースが確保されます。
DM8 CS 顕微鏡スタンドを搭載した SP8 DIVE を用いて、生きた動物の覚醒下での脳活動の観察などの実験を行うことが可能です。
Alberto Diaspro
Istituto Italiano di Tecnologia (IIT), Genua(イタリア技術財団(ITT)、ジェノバ)
“今日、マルチフォトン顕微鏡法のさらなる認知拡大、普及において非常に重要な製品です。アプリケーションの幅が広がったことは大きな飛躍であり、様々な試料に関連する多くの問題を解決することができます。注目すべきは、第二高調波(SHG)と 2 光子イメージングが効果的に統合されている点で、
STED モジュールや他のライカ製品と組み合わせれば、空間分解能や時間分解能、また将来開発される蛍光試薬を使った観察など、さまざまなニーズに対応させることが出来ると思います。
2 光子励起照明ビームを拡大・収縮させて、後焦点面の状態を制御・可視化できるかもしれないというのは素晴らしいですね。とても気に入りました。”
Sophie Allart
Ingénieur de Recherche
INSERM, Centre de physiopathologie de Toulouse Purpan(フランス国立保健医学研究機構(INSERM)、ツールーズ・プルパン生理病理学センター、研究技師)
“機能がモジュール化されている点に驚きました。NDD 検出器の前でフィルターキューブを使用することは、蛍光色素の選択に影響するため、時に試料調整や蛍光色素を変更しなければなりません。これからは間違いなく作業の手間が省けます。
もちろん、性能的にも素晴らしい。これまで 10 年ほど 2 光子での観察を行ってきましたので、4 色で見るというのは非常に興味深いです。”
Ron Hoebe
LCAM, van Leeuwenhoek Centre for Advanced Microscopy, University Amsterdam(ファン・レーウェンフック高度顕微鏡法センター(LCAM)、オランダ・アムステルダム大学)
“新しい 2 光子スペクトル検出器がお気に入りです。検出器の制御がソフトウェアに組み込まれている点が非常に気に入っています。
私はイメージングセンターを統括してしているので、操作性を何より重視しています。センターには、200 名以上のスタッフがおり、操作方法が複雑な装置では、トレーニングに時間がかかってしまうからです。
より簡単で、直観的な製品であるほど良いと思います。”
Ammasi Periasami
W.M. Keck Center for Cellular Imaging, VA(W.M. ケック細胞イメージングセンター、米国バージニア州)
“波長設定 740 ~ 920 が好みです。蛍光試薬に合わせて使用する波長を選択しなければならない場合に最適な設定です。 ひとつの波長を使用し、2~3 個の検出器を組み合わせて調整すれば、多くの選択肢を得られます。
SN 比と、蛍光検出側の柔軟性も素晴らしいです。
ユーザーフレンドリーで使いやすいシステムであることは、非常に重要です。私はその点を最も重要視しています。ライカなら、2 光子での観察でも、1 光子の際と変わらず操作が簡単です。"
[2017 年の顕微鏡技術国際コンファレンス FOM(Focus on Microscopy)で行ったデモンストレーション中に、IR レーザー 1 台とスペクトル HyD-NDD 検出器 2 個を装着した SP8 DIVE を使い、4 つの標識のデータが得られました。励起波長 740 nm(杯細胞の粘液用に Alexa Fluor® 350、細胞核用に Sytox® Green)励起波長 920 nm(コラーゲン用に二次高調波、F アクチン用に Alexa Fluor® 568 ファロイジン)]
Urs Ziegler
Head of Facility, Center for Microscopy and Image Analysis, University of Zurich(チューリッヒ大学顕微鏡法・画像解析センター施設長)
"とてもフレキシブルで使いやすいです。フィルターを自分で交換する必要はありませんし、考え得るすべての蛍光色素を使用することができます。
とてもありがたいのは、基本的に、共焦点レーザー顕微鏡を知っているユーザーであればトレーニングをする必要がないことです。フィルターを自分で交換する必要はありません。これまで可能ではあるとはいえ、決して容易ではなかった、フィルターと蛍光色素の異なる組み合わせをDIVEはいとも簡単にクリアします。
そしてもちろん、生きた生体組織において様々な蛍光試薬を使用することや、第二高調波、第三高調波の使用も、SP8 DIVEを使うことで驚くほど簡単にできます。たいへん大きな革新であると思います。"